エクササイズができない原因は筋力が無いことにあるの?
A子:先生、「お客様が動きをできない理由は腹筋ではない」とよく言っていたのはなぜですか?
J:一つの動きができるまでには筋肉を鍛えさせるではなく、実は脳からの指令が必要だからです。
A子:なるほどそういうことなのですね! 「腹筋が弱いからではなく、動きがまだ分からないだけ」ということなのですね!
J:そうですよ、これはつまりモーターコントロールのことです。
大学時代に私が小児リハビリを実習した時の論文は、モーターコントロールとモーター学習についてでした。当時はまだ今ひとつ分かっていませんでしたが、10年以上のピラティス指導経験の中で色々なことが分かってきました。 動作スキルは目標達成をするために自発的に関節や体のパーツをコントロールできることです、 例えば:自転車に乗る、歩く、サーフィン、ジャンプ、走る、重量挙げなど。
これらのスキルの学習と実行を運動科学者は、「運動学習(モーター学習)と運動制御(モーターコントロール)」または「スキル獲得」と呼んでいます。 運動制御と運動学習に関する知識は、個々が生涯を通じて初心者から熟練した運動能力獲得へとどのように進歩するかについての理論です。
実はピラティスインストラクターの指導はまさに運動制御と運動学習です。 すごくディープな内容かもしれませんが、今日は運動制御と運動学習について紹介したいと思います。
------------------目次------------------
運動制御とは?
運動制御の理論とは?
システムモデルとピラティスとの関係性とは?
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運動制御とは?
運動制御は英語でMotor control、そのまま訳すと「動きのコントロール」のことです。運動制御は、目的を持った自発的な動きを開始、指示、調整するプロセスとして定義されています。そしてShumway-Cook氏は、運動制御を運動のメカニズムを調節する能力と定義しました。
運動制御のプロセス
1、完成したい任務(動き)を特定する→身体は...
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